ピラティスウェアの選び方とNG例をチェック

ピラティスのレッスン中に、生地が引っかかったり、装飾がマシンに当たったりして、動きに集中できなかった経験を持つ方もいるのではないでしょうか。

これは、トレーニングウェアとピラティス専用のウェアでは、伸縮性やフィット感の基準が異なるためです。

なかには、体のラインが目立つことへの抵抗感から、ウェア選びを後回しにしてしまう方も見られます。

そこでこの記事では、機能面の選び方からNGなウェアの具体例、体型カバーの着こなし方まで、ピラティスウェア選びに必要な情報をご紹介します。

岡村真奈美

Director & Supervisor

岡村 真奈美
全米ヨガアライアンス RYT200 / FTPマットピラティスインストラクター

ピラティスウェアに求められる基本機能

ウェア選びで失敗を防ぐには、素材や着心地の基準を知っておくことが大切です。

ここでは、フィット感や素材、オールインワンウェアの選び方についてご紹介します。

呼吸や骨格の動きを妨げないフィット感と伸縮性

ピラティスでは、胸式呼吸を使いながら肋骨を大きく広げ、背骨を一つずつ丸めたり反らせたりする動きを繰り返します。

そのため、生地に伸縮性がないと、胸まわりが締め付けられて呼吸が浅くなりやすいです。

また、背骨を動かす際に生地が突っ張ると、本来の可動域を活かせません。

たとえば、綿100%のような伸びにくい素材のトップスでは、腕を大きく回すポーズや、うつ伏せから上体を反らすポーズで生地が引っかかりやすくなります。

一方で、前後左右に伸びるストレッチ素材であれば、こうした動きにもスムーズに対応できます。

サイズについても、大きすぎるウェアは体を逆さまにするポーズや脚を高く上げるポーズで裾がめくれたり、生地が顔にかかったりしやすくなるため注意が必要です。

ウエスト部分の生地が薄いタイプは、前屈や体幹を丸める動作の際にずり落ちやすくなるため、適度な厚みとホールド力がある生地を選ぶと安心です。

このような理由から、ピラティスウェアには前後左右に伸びる伸縮性と、体に適度にフィットするサイズ感の両方が求められます。

インストラクターが体のラインを確認しやすい素材

ピラティスは自己流で動かすと効果が半減するだけでなく、関節に負担をかけることもあるため、レッスン中はインストラクターによる姿勢の確認が欠かせません。

オーバーサイズのTシャツやワイドパンツを着用すると、骨格の細かな動きが生地に隠れてしまい、体の癖を見てもらいにくくなります。

反対に、体にほどよく沿うウェアであれば、腰の反りや骨盤の傾きといった小さなズレにもインストラクターが気づきやすくなります。

上達を目指すのであれば、体型を隠すよりも、動きやラインが伝わりやすい素材を選ぶと上達が早まるでしょう。

色についても、無地や淡色は骨格のラインが目立ちやすいため、姿勢確認を重視する方におすすめです。

ピラティスのポーズについては「ピラティスの基本ポーズと動作の目的を初心者向けに解説」をご覧ください。

オールインワンウェアの選び方とメリット

トップスとボトムスが一体になったオールインワンタイプのウェアは、上下を組み合わせる手間がなく、着るだけでコーディネートが完成します。

また、ウエスト部分に生地の切れ目がないため、体を丸めたり反らせたりする動作でも、ウエストがずれ上がったり、めくれたりする心配が少なくなります。

上下別々のウェアに比べてサイズ調整の幅が狭いため、購入前には試着をして、肩や太ももまわりの窮屈さがないか確認しておくと安心です。

上下がずれる心配を減らしたい方や、コーディネートに時間をかけたくない方には、オールインワンウェアが選択肢のひとつになるでしょう。

トップス・ボトムスの選び方と避けたいウェア

トップスやボトムスは、素材やシルエットによって動きやすさが変わります。

ここでは、アイテムごとの選び方と、避けたいウェアの特徴についてご紹介します。

胸元・背中の露出が多いトップス

ピラティスでは、仰向けでおしりを上げ下げするショルダーブリッジや、四つ這いから頭を下げるポーズを頻繁に行います。

そのため、胸元が大きく開いたトップスを着用していると、こうした動作の際に胸元の露出が気になり集中できなくなるケースも多いです。

特に、前かがみになったり胸を反ったりする動きが多いポーズでもあるため、首元が詰まったクルーネックタイプの方が着崩れを抑えやすいでしょう。

サイズが合っていない・生地が薄いレギンスやパンツ

ピラティスでは股関節を大きく回したり、膝を深く曲げ伸ばししたりする動きが続きます。

その際、生地に余りがあると動作の妨げになるだけでなく、鏡に映る脚のラインも確認しにくくなります。

そのため締め付けの強さだけでなく、筋肉の動きを適度にサポートし、血流を妨げない程度のサイズが重要です。

たとえば、おへその上までカバーするハイウエストタイプは、腹部の奥にある腹横筋(インナーマッスル)を意識しやすく、動いてもウエストがずり落ちにくくなります。

また、前屈をした際に生地が伸びてインナーが透けやすくなる場合もあるため、生地の密度が高いレギンスや、濃い色のカラーを選ぶと安心です。

以下に、トップス・ボトムス・素材別のおすすめと避けたい例をまとめましたのでご覧ください。

項目 おすすめウェア 避けたいウェア
トップス めくれにくいTシャツ・フィットタンク+重ね着 胸元が開くキャミ・長すぎる丈
ボトムス レギンス・ショートパンツの重ね履き 裾が広いパンツ・ダボつくジャージ
素材 速乾性・通気性のあるポリエステルやナイロン混 厚手の綿100%で乾きにくいもの

ダボダボの服やフード付きのウエア

ダボダボのジャージやフード付きウェアを着用すると、動作の妨げになったり、マシンの可動部に巻き込まれる危険があったりします。

そのため、なるべく避けるのがベターです。以下に、避けたいウェアの例と理由をまとめましたのでご覧ください。

避けたいウェア 理由
ダボダボのジャージ・ゆとりのあるパンツ 脚を高く上げた際に裾が滑り落ち、動きを遮るため
フード付きのパーカー 仰向けの姿勢で首が押され、呼吸や首・肩に負担がかかるため
腰紐が長いボトムス 結び目がマシンやマットに当たり、気になりやすいため
ポケットが多いデザイン・厚みのあるロゴプリント 寝た姿勢で生地の凹凸が当たり、違和感につながりやすいため

このように、体の動きを妨げず、マシンに引っかからないウェアを選ぶことが、安全にレッスンを受ける基本です。

体型カバーとおしゃれを両立する着こなし

動きやすさを重視すると、体のラインが出やすくなり、着こなしに悩む方もいます。

ここでは、体型カバーとおしゃれを両立させる着こなしの工夫についてご紹介します。

お腹・ヒップのラインが気になる場合のレイヤード活用

体のラインが出ることに抵抗がある場合、フィット感を諦めるのではなく、重ね着で調整する方法があります。

一例として、フィットするタンクトップやブラトップの上に薄手のTシャツを重ねると、お腹まわりの安心感が増しつつ、動きやすさも保てます。

ヒップまわりが気になる場合は、骨盤からヒップが半分隠れる丈のトップスや、ヒップラインをさりげなく隠すバックデザインのトップスも選択肢になるでしょう。

また、レギンスの上に短めのショートパンツを重ねると、ヒップラインを自然にぼかせるだけでなく、透け対策にもなります。

重ね着をする際は、外側に着るトップスも伸縮性があり、体にフィットする薄手素材を選ぶと、動きを妨げずにレイヤードできます。

色は上下どちらかを濃色にすると引き締まって見えやすいため、バランスを見ながら選ぶとよいでしょう。

セットアップで揃えるメリット

上下を同じ素材・色で揃えたセットアップは、縦のラインを強調するため、体型を引き締めて見せやすくなります。

加えて、トップスとボトムスの組み合わせを都度考える手間がかからず、忙しい朝でも準備がしやすくなります。

選ぶ際のポイントは、生地の厚みとホールド力です。

薄すぎる生地は体の凹凸が出やすいですが、適度な厚みと着圧のある素材であれば、体全体を引き締めて見せてくれます。

また、リブ素材や地模様の入った生地は表面に視覚的な変化があるため、初心者でも着用しやすい傾向です。

色は引き締め効果のあるブラックやネイビーのほか、肌なじみのよいニュアンスカラーもおすすめです。

季節・室温に合わせた重ね着と体温調節の工夫

ピラティススタジオ内は空調が管理されていますが、レッスンの前後や、静かな動きから始まる導入部では、体の冷えを感じる場合があります。

そのため、着脱しやすい羽織りものを一枚用意しておくと便利です。

たとえば前開きのジップアップパーカーやカーディガン風のスポーツアウターは、レッスン直前まで着用でき、体が温まったらすぐに脱げます。

また、ウェアの下に着る肌着も季節によって変えるとよいでしょう。

冬は保温性の高い吸湿発熱素材を選ぶと体を冷やしにくく、夏は接触冷感素材を選ぶと汗による不快感を抑えやすくなります。

マットとマシンピラティスで変わるウェア選び

ピラティスは、マットで行うものとマシンを使うものがあり、レッスンの種類によってウェアに求められる基準も変わります。

ここでは、マシン使用時の注意点や、レッスン形態・環境に応じたウェアの選び方についてご紹介します。

マシン使用時に避けたい装飾と安全上の注意

マシンピラティスで使用するリフォーマーなどの器具は、表面が繊細なレザーやパッドで覆われています。

そのため、ボタンやジッパー、スタッズなどの金属パーツや硬い装飾があるウェアを着用すると、マシンの表面を傷つけたり、当たった部分に痛みを感じたりすることがあります。

実際、多くのスタジオでは施設の保護と他の方の安全のために、こうした装飾のあるウェアの使用を制限しているのが基本です。

また背中で紐を結ぶデザインのウェアも、仰向けになった際に結び目が背骨に当たり、痛みを感じてピラティスに集中しにくくなる場合があります。

マシンピラティスを安全に楽しむためには、仰向け・横向き・うつ伏せのどの姿勢でも体に何も当たらない、装飾の少ないウェアを選ぶことが基本です。

グループとパーソナルで変わるウエアの選び方

グループレッスンでは、限られた時間の中で複数人の姿勢を見る必要があるため、インストラクターが一人ひとりの細かな癖まで確認する時間は限られます。

そのため、体のラインが伝わりやすいフィット感のあるウェアを選んでおくと、自分自身でも鏡を通して姿勢をチェックしやすくなります。

また、初心者がグループレッスンに参加する場合は、周囲の受講者の動きと自分の姿勢を見比べる機会も多いため、ラインが分かりやすいウェアがよいでしょう。

一方、パーソナルレッスンでは、インストラクターがマンツーマンで骨盤や肩の位置を細かく確認しながら進められます。

そのため、多少ゆとりのあるウェアでも、都度声かけで修正を受けやすいでしょう。

スタジオの温度・環境に合わせた素材の使い分け方

スタジオによっては、ウォームアップで軽く体を動かして温度を上げる場合もあり、レッスンの前半と後半で汗のかき方が変わることもあります。

その際、通気性の低いコットン100%のような素材だと、汗を吸うと乾きにくく、レッスン後の休憩時間に体温を奪われて汗冷えの原因になることがあるでしょう。

これを避けるには、ポリエステルやナイロン混の速乾素材や、メッシュ素材のように通気性の高い生地を選べます。

また、抗菌防臭加工が施された素材であれば、繰り返しの着用でも汗のにおいを気にせずレッスンに集中しやすくなります。

ウェアを長く使うためのお手入れと体験レッスンの準備

ウェアは選んで終わりではなく、長く清潔に使うためのお手入れも大切です。

ここでは、洗濯・お手入れの方法と、体験レッスン当日に向けた持ち物についてご紹介します。

伸縮素材を傷めない洗濯方法と乾燥

ピラティスウェアに使われるポリウレタン混の伸縮素材は、熱や摩擦の影響を受けやすく、洗濯方法によっては伸びが戻りにくくなったり、生地が傷んだりします。

洗濯の際は、他の衣類のジッパーやホックが生地に当たらないよう、ウェアを裏返して洗濯ネットに入れると安心です。

加えて複数枚をまとめすぎず、生地同士がこすれ合わないようゆとりを持たせるとよいでしょう。

また、白や淡色のウェアは、色移りを防ぐため他の色物と分けて洗うと安心です。

水温は高すぎない常温程度を選ぶほか、柔軟剤は吸汗速乾機能を低下させる場合があるため、使用を控えめにするのをおすすめします。

注意点として、乾燥機の熱はゴム部分の劣化を早めるため、風通しのよい場所での陰干しにして、直射日光に当てることは避けましょう。

生地の劣化サインと買い替え時期

伸縮性のあるウェアも、繰り返しの着用と洗濯によって、ウエストや裾のゴムが伸びたまま戻らなくなったり、生地が薄くなって透けやすくなったりします。

また、縫い目やゴム部分に毛羽立ちが見られる場合も、劣化が進んでいるサインのひとつです。

使用頻度によって状態の変化には差があるため、月に一度程度、ウエストゴムの戻り具合や生地の透け感をチェックする習慣をつけるとよいでしょう。

フィット感や伸縮性の低下を感じたタイミングで買い替えを検討すると、動きやすさと安全性を保ちやすくなります。

体験レッスン当日の持ち物

基本の持ち物は、動きやすい服・グリップ付きソックス・汗対策・水分の4つを基本に揃えるとよいでしょう。

季節によっては、前章でご紹介した羽織りものを一枚追加しておくと、レッスン前後の待ち時間も快適に過ごせます。

スタジオによってはタオルやソックスのレンタルがない場合もあるため、持参しておくと安心です。以下のリストをチェックして、当日はスムーズにレッスンへ向かいましょう。

  • 動きやすいトップス
  • レギンスまたは裾が広がらないパンツ
  • スポーツブラ・ブラトップ
  • グリップ付きソックス(マシンピラティスの場合は必須の場合あり)
  • ふた付きの飲み物
  • 汗拭き用タオル
  • ヘアゴム・ヘアクリップ
  • 替えの下着
  • 入会を検討している場合:身分証明書・支払い手段

ヨガソックスの選び方は『失敗しないヨガソックスの選び方!購入時に確認したい5つのポイントとは?』で詳しく解説しています。

自分に合うウェアで広がるピラティスの快適さ

ピラティスウェアを選ぶ際は、呼吸や骨格の動きを妨げない伸縮性とフィット感を意識しながら、マシン使用時の安全面や着用シーンに合わせた素材選びが大切です。

体型が気になる場合も、レイヤードやセットアップを工夫すれば、機能性とおしゃれを無理なく両立できます。

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岡村真奈美
岡村真奈美
監修

全米ヨガアライアンス RYT200 / FTPマットピラティスインストラクター
FRPファンクショナルローラーピラティス / ブリスベイビーマタニティーヨガインストラクター

「年齢を理由に諦めない、いつまでも自分の脚で歩ける体づくり」

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